【諏訪湖】
■所在地:長野県岡谷市 ■取材日:・2013年7月5日 ■公開日:2015年5月月某日
■長野県の諏訪湖といえば、観光名所であるのは言わずと知れたところだろう。
ワカサギ釣りを始め、毎年夏には大規模な花火大会が行われ、また秋には諏訪湖マラソンなども行われる健全な観光地と言える。
また神秘的なところで、冬に湖が全面凍結した際に見られる「御神渡り」といったものがある。凍結した湖の氷が、日夜の気温差に膨張と収縮を繰り返すうちに亀裂が生じ、その亀裂がせり上がる現象で、その亀裂の加減等でその年の吉兆を占うそうだ。余談だが、私が大好きな大河ドラマ「風林火山」においても、そんなシーンが盛り込まれている。
しかし残念な事に、近年では温暖化の影響か、この御神渡りの出現率は低いらしい。
■風林火山が出たところで、武田信玄の「水中墓伝説」について触れておこう。
信玄公が1573年に亡くなった際、甲斐の国にて火葬され、やがて恵林寺に埋葬されているのだが、それとは別に「諏訪湖に埋葬された」といった情報がある。何でも武田軍の戦術等が書かれた有名な軍学書「甲陽軍鑑」によれば
「自身の死を3年の間は秘匿し、遺骸を諏訪湖に沈める事」
となっている。しかし、それは史実ではないといった見解が有力なのだが、例えば水中に巨大な菱形(武田菱?)の物体を湖面調査の際に発見したという事等から、今でも水中墓伝説を支持する人も少なくない。
■諏訪湖の釜口水門の写真。
この付近で、霊的な噂が聞かれる。
■前置きが少々長くなってしまったが、そんな観光名所であり神秘的な一面を持ち、なおかつ個人的に大好きな武田氏とも繋がりのある諏訪湖に、2013年7月に訪れる事が出来た。実に嬉しかったのをよく覚えている。
この諏訪湖の霊的な噂を挙げれば、
「釜口水門付近の電話ボックスで霊と思われる姿が目撃されると」
といった内容になるだろうか。この広大な諏訪湖の中で、この付近と限定されているのが面白いといえば面白い。
ここに噂が集中しているのには、どやら自殺者が多いのがその要因らしい。当サイトの「お客様情報」を引用すれば
「この諏訪湖は自殺者が多いところで、うちの母が県内の病院に勤めていて、よく精神病の患者が水門付近で浮いてるそうです」
との事らしい。その辺の事実関係は定かではないのだが、釜口水門から流れ出した諏訪湖のうねる水流も、そうした“目”で見ると不気味に思えてくる。
ただし、写真を見て分かる通り、現地入りしたのはまだ明るい時間帯であり、やはり観光地のニュアンスが強い。平日という事もあってか観光客の姿はまばらであったが、雄大な諏訪湖を目の前にして芽生える気持ちは爽快感が殆どであったのは間違いのない事実だ。
そんな諏訪湖取材だったのだが、気になる点が1つだけあった。というのも、釜口水門付近に湖面まで降りる事の出来る場所があるのだが、その脇に柵が設けられ、あからさまにその先立入禁止の場所があった。当然人が入るべき場所ではないのだが、そこに
老人らしき人物の姿
が見えたのである。何やら湖面に足を入れているらしいのだが、何せ私の位置から相当離れいているので細かく見る事は出来ない。
しょうがないので、デジカメのズーム機能を最大にして撮影してみると、履いたズボンをまくる事なく、湖面に足を突っ込んでいるのが分かった。素足で水に触れているのならば、涼をとっているのだろうと思えるのだが、ズボンごと足を突っ込むとなると…う〜む…もしや…。
良からぬ事をつい想像してしまうも、まさかといった気持ちもあるし、また対岸という距離からして慌てたところでどうにもならない。しかたなく、周囲を撮影しつつ、その老人のところへ向かっていったのだが、いつの間にか老人の姿は消えていたのである。
(おいおいウソだろ…)
と、更に嫌な事を想像してしまったのだが、冷静になって分析してみれば、その老人が乗ってきたであろう自転車も消えていた。
(きっと涼もとれて帰って行ったのだろう)
そう分析し、そのまま取材を続けたのだが、実際のところはどうだったのか。取材後に、諏訪湖周辺の水難事故等を暫くチェックしていたのだが、悲しい事故や事件は聞かれなかったので、とりあえず安心してはいる…。しかし、表に出てこない事件や事故もあるだろうし…。
私のこの不安要素は、恐らく今後も残り続けるのだろう…。
いや、やはり冷静に分析すれば、そのまま岐路に着いたと解釈するのが正解だろう。もし、あの明るい時間帯に水中に飛び込めば誰かしらが気付くはずで、周辺はパニックになっていた事だろう。しかし、裏腹に周囲は至って平穏であった。よって、あの老人は何事もなく無事に帰宅したと考えられる訳である。
いや、もっと路地裏的に推理してみれば、その老人は基本的には見えない存在で…要するに霊体であって、その最後の死に様を延々と繰り返して…。
いや、そんな事はないだろう。やはり何事も起きておらず霊でもなく、その後も何事もなかったと考えるのが自然なのである。
私の取り越し苦労・空想・妄想etc…なのである…多分…。
巡霊者:心霊スポット取材記:長野県【諏訪湖】現地写真
■釜口水門を渡りながら。
柵が何気に低いので、そういった意味の怖さもある。
■水門から流れ出る水流はなかなかのもので、その凄さに恐怖さえ覚てしまう程であった。
■水門を背に諏訪湖を望めば、実に穏やかで美しい景色であった。
前と後ろでその様は正反対であった…といった感じである。
■釜口水門付近の電話ボックスは、恐らくこの事だろうか。
対岸にも電話ボックスはあったのだが、多分こちらだろうと勝手に判断して、この電話ボックスを掲載しました。
因みに本文中に出てくる老人は、この電話ボックスの近くに居たハズ。
しかし、この時には既に老人の姿はなく…
■少々の疑問を抱きながら、この諏訪湖での取材を終えたのであった。
実際のところ、あの老人は何処へ行ったのだろう???
■以上が諏訪湖取材のレポートである。
結局のところ「あの老人は何処へ?」といった疑問を終始抱きながらの取材となってしまい、ある意味において印象深い取材となった。
余談だが、私が訪れたのが2013年7月とは冒頭にも書いたが、翌月の8月に行われるはずであった花火大会は、豪雨および落雷で中止となった。大雨により帰宅困難者も多く出て、それはニュースにもなったので知っている人も多いだろう。1か月前に訪れていた現場だけに、何とも言えぬ心境になったのを克明に覚えている。
■で、最後に前述の老人の写真を掲載しておこう。
わざわざ入り辛い場所へ腰かけてズボンのまま足を湖面に付けて…といった具合で、何とも不信n感じてしまうのは私の空想・妄想・取り越し苦労の成せる業だろうか?
また、写真右上部に、老人の物と思わしき自転車もある。
実際ののところ、その自転車が老人の物かどかは分からないのだが…。
とにかく、何であれ気になる老人なのだが、写り方からして実在した老人である事だけは間違いないだろう。
…多分…。