【浄蓮の滝】
■所在地:静岡県伊豆市湯ヶ島 ■取材日:2004年4月13日 ■公開日:2015年11月某日
■この「浄蓮の滝」に訪れたのは2004年4月。天城隧道と八丁池の取材を終えた私は、その近場にであり観光名所として非常に有名な浄蓮の滝も「当然訪れねば損だ」といったセコい損得勘定の末に取材したのが、実のところである。しかし、実際に訪れ、現地案内板の「女郎蜘蛛伝説」を読んだ時、
「あ、これは路地裏で紹介するのもアリかも?」
と思い、こうしてレポートとして公開させて頂く事とした。心霊スポットとして紹介するのは、いささか違和感が無くもないのだが、もう少し幅広い意味での“ミステリースポット”として見て頂けたら幸いである。
■その女郎蜘蛛伝説なのだが、このレポートを公開する以前に、コラムにて独自に作った文章があるので、興味のある方はご覧になって頂けたらと思う。要約すれば、以下の様な内容となる。
この浄蓮の滝に住む巨大な「女郎蜘蛛」が、その存在を知ってしまった、土地の農夫「与市」に対し、女郎蜘蛛の存在や、知ってしまった経緯について口外しない事を約束し、それを与市は守り通す。
しかし、与市の末裔「与左衛門」が、先祖が守り通してきた滝周辺の木を伐採しようとしたところ、その行為を女郎蜘蛛が遮った。その上で木々の伐採や、与左衛門の存在を口外してはいけないと伝えたのだが、最終的に与左衛門は、この約束を破ってしまう。そして女郎蜘蛛の怒りに触れたのか、与左衛門は忽然と姿を消し幾日か経過した頃、浄蓮の滝の滝壺に遺体となって浮かぶ与左衛門が発見された…。
■観光名所として非常に有名な浄蓮の滝だが、女郎蜘蛛を読んだ上で、この滝壺を眺めると、また何とも不気味な一面を感じずにはいられなくなってしまう。
今でも女郎蜘蛛伝説は続いているのだろうか?
■何とも手短に書いてしまったが、女郎蜘蛛伝説を大まか書けば、この様な内容となる。そんな伝説が今も語り継がれる土地であると知った上で眺める浄蓮の滝の姿は、上空のすっきりしない空模様と相まって、何とも不気味で、またもの寂しげな雰囲気であった。
しかし、それでもやはり観光地である。平日の曇り空でありながら、周りを見渡せば観光客の姿も少なくなく、皆がそれぞれがやがやと話し、また滝を撮影する人の姿も見られ、恐怖感が和らいでしまうのは正直なところだ。2004年の静岡取材の最後の地となった、この浄蓮の滝では、私もすっかり観光客の1人と化していたのであった…。
巡霊者:心霊スポット取材記:静岡県【浄蓮の滝】現地写真
■この滝壺に与左衛門がユラユラと浮かんでいたと思うと、これまた冷たい物を感じてしまう。その与左衛門の霊が、実は彷徨っていたりしないだろうか?
■そんな浄蓮の滝から下流に目を向ければ、この様な山葵の葉が沢山茂っていた。「天城越え」の雰囲気がヒシヒシなのである…。
■その天城越えの歌碑が、浄蓮の滝の滝壺付近に設置されていた。
頭の中には石川さゆりの歌声が響き渡るばかりの雰囲気なのである。
■女郎蜘蛛伝説は、この解説板を参考にさせて頂いたが、今現在は新たなものに変更されている様だ。
■観光地は、この様に駐車場が完備されているのが有難い。
また、記憶が確かならば、ここにてアユの塩焼きを食したのだが、それが非常に美味かったので、調子に乗って2匹食べてしまい、何だか胸焼け状態に陥り後悔してしまったのを思い出す。
■以上が、私が2004年に訪れた静岡県における取材記となる。
それから9年後の2013年に、再び静岡県へ訪れる機会を得たのだが、その際は伊豆半島は取材地から外し、駿河湾辺りから西方面を取材した。なので、浄蓮の滝を含めた伊豆半島の心霊スポットは、10年以上訪れていない事になる。そう考えると、そろそろ出向いてみようと思うのだが…実際はどうなる事だろうか。
再び訪れたい地域は山ほどあるし…まぁ今後も気の向くままに各地を訪れるのだろうし、その気の向いた先が伊豆半島になる可能性は無い事もないだろう。そんな時には、また“あの歌”を脳裏に響かせながら、各スポットを巡りたいと思うばかりなのである…。