【首切地蔵】
■所在地:栃木県宇都宮市 ■取材日:2004年5月13日 ■公開日:2014年5月某日
■ここに紹介する、宇都宮の「首切地蔵」に訪れたのは2004年の事。周辺は再開発のため、現在とは違う部分も非常に多いかもしれないが、10年の時を経た今になって公開しようと思う。
因みにだが、この首切地蔵を案内して下さったのは、今はなき「異界への招待状」のやっくん氏であった。まさか氏がサイトを閉鎖させてしまうとは思いもしなかったし、当時は当然そんな事を想像することすらなかった。誠に残念ではあるのだが…こればかりは様々な考えあっての事。致し方ない部分でもある…。
■10年前の当地には、首切地蔵の目印として松の木が生えていた。白沢街道沿いに、おもむろに生えていたその松の木は、噂では「呪いの松の木」などとも呼ばれていたそうだ。というのも、この地は過去に処刑場であった歴史があるという。多くの罪人がこの地で処刑され霧となり、その血が土地や付近に生えていた松に染み込み、そんな中の1つが呪いの松の木であった…なんて話もあったそうだ。
そんな負の歴史の生き初認であろう松の木も、Google Mapで確認してみると見当たらない。やはり再開発の煽りを受けたのだろうか…。近年の詳細は本当に不明なのだが、兎にも角にも当時に思い感じた事を思い出しながら綴ってみようと思う。
■目の前にあるのが、霊の「呪いの松の木」だ。
某銀行と共に、この「首切地蔵」の目印となっていたのだが、10年以上の時を経た現在の松の木の存在は不明である。
因みにだが、この某銀行のある個所は、現在は道路となっていると思われる。
■この首切地蔵には、早朝に訪れた記憶がある。栃木周辺の心霊スポットを巡るにつき、最初の現場として、やっくん氏の自宅付近の心霊スポットから程近いここに訪れたのだが、昨晩の酒の為、二日酔いの状況であったのを強く記憶している。
要するに、取材するにあたって、あまり良くない体調であったのだが、そんな状態でいざ首切地蔵を目の前にした時、強烈な頭痛に見舞われたのは…やはり二日酔いの為なのだろう。いやいや、でもでも、首切地蔵を目の前にした途端に、唐突に「ガツン」と来た感じであり、それ以前は頭痛というよりは主に吐き気であり、それも大したものではなく二日酔いの際によくある「ちょっと気持ち悪いかな〜」的なものでしかなかった。そもそも、この二日酔いに関しては、次の現場に到着した際には回復してしまったので、やはり大した二日酔いではない。10年前の話なのではあるが、その辺の記憶は間違いないハズである…。
とにかく、この突如見舞われた頭痛が、二日酔いと相まってか非常に印象的であった。どことなく吐き気を感じつつ、更に頭痛が「どーん」と押し寄せ、たまらず
「うわ〜これはたまらん!」
なんて呟いたかどうかは覚えていないが、そんな独り言が脳裏を巡ったのは間違いない。それにしても、そんな強烈な現場が、街中に普通に溶け込んでいる様が、何とも不思議であった。有名な鈴ヶ森の刑場跡も似た様な感じではあるのだが、それとはやや違う感じもする。まぁ場所が違えば雰囲気も違うのは当たり前の事なのだろうが、どちらにしても、近所に住む住人からすれば見慣れた光景であるのだろうし、何より周囲には住宅もたくさんある。深夜に騒ぐのを目的に訪れる様な場所ではないのは、ここにはっきりと明記しておこう。
巡霊者:心霊スポット取材記:栃木県【首切地蔵】現地写真
■現在とは若干の違いがあるかもしれないが、恐らく今だ存在しているだろうお地蔵様である。
撮影日は5月なのだが、五月晴れとはいかずパッとしない空模様であり、その上に二日酔いなので、まさに負の相乗効果であった。
■敷地が狭い為、また二日酔い+頭痛というコンディションの為、写真が非常に少ないのも、この首切地蔵での特徴となってしまっている。
誰が見ても分かる通り、横のお地蔵様の別カットである…。
■その他にも、大小様々な石仏等が祀られていた。
これらの写真を見ると、当時の頭痛や二日酔いの、あの感覚が蘇ってくる。
■以上が竹林の首切地蔵における取材記である。狭い敷地なので撮影すべき個所も少なく、また体調的な事も手伝ってか写真が非常に少ないのが恐縮である。しかも、現在は松の木も存在しない(と思う)ので、いま取材しようものなら、更に写真は減ってしまう訳で…そういった意味でも、二日酔いであっても訪れておいて正解であったと痛感している。
その一方で、もし二日酔いなどではなく万全の体調で訪れていたら、その体調変化は如何程であったのかといった疑問も出てくる。もしかしたら更に鋭く反応したのだろうか。はたまた、あの頭痛は体調不良が成せる業であったのか…。どちらにしても、その瞬間に2択を同時に経験することは人生においては不可能な訳で、その辺が実にニクい訳で…。結局、その時に感じた物事を、つらつらと書く他ないのである。
そんなこんなで、この竹林の首切地蔵の取材を手短に終え、次の心霊スポットに向かったのであった。先にも書いたが、次の現場に到着する頃には二日酔いも収まり、それなりのコンディションに持っていく事が出来た。我の肝臓のアルコール分解能力に感謝である。といって酒が強い訳ではないのだが…。