心霊スポット:矢板トンネル 【矢板トンネル】
■所在地:栃木県塩谷郡塩谷町大字喜佐見 ■取材日:2004年5月12日 ■公開日:2014年3月某日


■栃木県のお化けトンネルとして良く聞かれるのが、ここに紹介する「矢板トンネル」だ。霊的な情報としては、さすが有名な心霊スポットなだけあり、様々な噂が散乱している様だ。その幾例を挙げれば「サラリーマン風の男性の霊が現れる」とか「付近で殺害された女性の霊が」といったものや「付近に死体遺棄された男性の霊」といったものまであり、その気になって探せば、まだまだ出てきそうな勢いである。
 それなりの山奥に存在するトンネルのためか、肝試し目的に訪れる若者も少なくなく、それに比例して噂が広がり、と同時に幾つもの噂話が生まれていった様に感じる。

■そんなメジャースポット矢板トンネルに私が訪れたのは、かれこれ10年も前になってしまうだろうか。前年に閉鎖してしまった「異界への招待状」の管理者:やっくん氏の案内のもと、栃木県の心霊スポットを渡り歩き、そのなかの1つとして、ここに訪れたのである。

 このトンネルは、元々は列車用のトンネルである。矢板市と日光市を結ぶ東武矢板線のトンネルであった。その東武矢板線が、昭和34年6月末に廃線となり、その後に一般のトンネルとして使われる様になった。
 そのトンネルも、崩壊の危険性などから平成10年に閉鎖となり、以降は現在に見られる通り立入禁止となったのである。
 また余談だが、正式名称も実は矢板トンネルではなく「弥五郎坂トンネル」なのである。しかしながら、今さら正式名称を全面に押し出したところで知名度は皆無だろうし、ここではそのまま矢板トンネルと表記しておく。

 上記の通り、立入禁止のトンネルである為、トンネル両坑口にはバリケードが設けられている。設けられているのだが、作りは何とも貧相であった。私が訪れた際には、単管パイプにブルーのトタン板を張り付けた物であり、案の定というか何というか「バリバリッ」と剥がされていた。なので容易に入る事は可能であったのだが、当然ながら基本的に立入禁止であるのは重々承知しておこう。

 また、現在では片方の坑口はコンクリートで塞がれているらしいのだが、ここに紹介する写真は古い物なので、その姿は当然お見せする事は出来ないのは予め記載しておく。

心霊スポット:矢板トンネル

■厳重に塞がれていそうに見えて、実はこじ開けられていて容易に入る事が出来た。しかし、見るからに立入禁止であるのは間違いなさそうなので、その辺りは重々認識しておきたい。


■そんな有名スポットである矢板トンネルを目の前にして、まず最初に感じた事は何であったか。確かに異様な恐怖を感じたのであはるが、それは単純に“闇”に対するものであった気がしている。あの特有の霊的な恐怖感は殆どなかった様に記憶している。ただし、私の霊的察知能力なんて、たかが知れているので、あまり参考にならないであろう事はいうまでもない事だ。

 とはいうものの、このトンネルでの体験談は決して少なくない。そう考えると、目の前のトンネルの中に続く完全なる闇が、更に不気味なものに見えてくる。ただし、この時の取材は1人ではなかったので、そういった意味でも「怖さ半減」といった感じであった。やはり恐怖感を存分に味わうのならば、単独取材が何よりである。

■そんな感じで、色々な意味であまり怖さを感じなかった現地の写真を、以下に紹介していこう。

巡霊者:心霊スポット取材記:栃木県【矢板トンネル】現地写真

心霊スポット:矢板トンネル

■気がとがめつつ、内部に入ってみれば、この様な雰囲気が基本的に続く。内部の形状が、何処となく列車用のそれをイメージさせる。

心霊スポット:矢板トンネル

■フラッシュを焚いたからこそ、この様に周囲を見る事が出来るが、内部に光源は当然存在しない。即ち、完全なる闇である。写真では伝わらないかもしれないが、相当不気味な雰囲気ではあった。

心霊スポット:矢板トンネル

■そんな不気味なトンネルも、いよいよ終着が見えてきた。向こう側の坑口も、写真の通り塞いではいるのだが、破壊されてしまい潜入が可能となっている。

心霊スポット:矢板トンネル

■で、内部から出てきての撮影。雰囲気は向こう側の坑口と大差ない。落書きのテイストも似た様な感じであった。

心霊スポット:矢板トンネル

■坑口を遠目に撮影してみた。周囲の木々や葉が無造作に落ち歩き辛い。しかし、人の往来の必要がなくなったここにおいて、歩きやすさなんてものは必要ないのだろう…。


■という事で、2004年の矢板トンネルの紹介は以上となる。先にも書いたが、現在は片側の坑口はコンクリートで塞がれており、現在の姿とは若干の違いはある。しかし、大筋ではこの様な雰囲気であろう。

 現地の恐怖感も、先に書いた通りである。しかし、もし1人で現地入りしたら、果たしてこの様な余裕はあっただろうか。何とも言えないが、きっと小心者の私の事だから、もっと違った印象を受けたのだろう。そう考えると、

「もう一度来たいな…」

なんて思えてくるのである。
 機会があれば、またこの矢板トンネルに出向いてみよう。塞がれてしまった坑口も、この目で見てみたいし…。

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