【坪野鉱泉】
■所在地：富山県魚津市坪野 ■取材日：２０１７年６月１６日 ■公開日：２０１８年３月某日
■坪野鉱泉と言えば、富山県はもとより全国的にも有名な廃墟と言えるであろう。元は旅館であったのだが、倒産の後に解体される事なく現在に至っている。鉱泉というからには湧き水が当然存在する訳で、現在もこの廃墟の近くに「薬師の水」と呼ばれる水汲み場がある。その湧き水の効能を求め、地元の人々がご活用されている様だが、このサイトの趣旨とは離れる部分も多いので、多くは語らないでおこう。ただ、近くの水汲み場が活用されているところから、現地までのアクセスの容易さは伺えるだろう。
■この坪野鉱泉の存在が全国区なのは、その薬師の水が名水だからといった訳ではない。確かに効能は素晴らしいのだろうが、それ以外の部分、言うならば心霊スポット的な“ある出来事”が全国区に押し上げたのである。その内容は“こっち系”に精通する方々にとっては、まさに「言わずもがな」的なのではあるが、ここにあえてザックリと記すと、この様になる。
富山県在住であった女性２人が肝試しに出かけたのだが、その後に行方不明となり、現在まで見つかっておらず手掛かりさえない。その２人が向かったのではないかとされているのが、この坪野鉱泉ではないかと言われているのだ。１９９６年５月の事である。
この廃墟は、当時においても地元では有名な心霊スポットで、週末や祭日の深夜などは富山県はおろか、隣接する他県からも、多くの人々が訪れていたそうだ。しかも、肝試しというよりは“集会”といった意味合いの方が強いと思われる面々が、当時は多く集まっていたそうである。因みに、行栄不明となった女性達が訪れたのは５月５日。ゴールデンウィークの最終といった感じであり、行方不明となった当日も、坪野鉱泉には集会目的の面々が集まっていたであろうとは容易に想像できる。そういった面々と接触し事件に発展し、その末に存在を抹消されたのではと噂され、やがて全国的に坪野鉱泉の噂が広まった訳である。
しかし上記の内容は、事件が解決していない現在においては、あくまでも噂でしかないのは言うまでもない。そして当地における噂は上記以外にも「北朝鮮による拉致」というのがある。
「またまたぁ」
と、思わずＴＶ超しの物事と捉えがちで、東京に住む私としては身近に思えないのだが、少々調べただけでも周囲で行方不明となった方々は少なくないのが分かる。また、その中には“北”による拉致の可能性のあるものも存在しているのだ。しかも、調べれば調べるほど、「これは若しや本当に…」なんて思えてくるのである。
これは怖い。今まで訪れた心霊スポットのなかでも、頭抜けて恐怖を感じる。
そんな恐怖を感じる廃墟に潜入する勇気は、残念ながら私は持ち合わせてはいない。と言うより、所有者の存在する可能性のある物件を、無断で潜入する行為は極力避けようという自分なりの決め事があるので、今回の坪野鉱泉取材も、予めそれは守べきだと考えていた。
■現地入りしたのは早朝６時頃だっただろうか。
何やら周辺では工事が行われている様な雰囲気が…。
しかも遠くには詰所だか何だかがあるし…。
■しかしながら「状況次第でもしかしたら〜」といった邪な思いも無きにしも非ずといった部分も、正直なところ無くはなかった。しかしながら、結局のところ潜入しなかったのは…やはり様々まことにビビったのが正直なろことだろうか。
拉致も怖けりゃ霊も怖い。生きている怖い人も怖いし真面目な人に注意されるのも、やはりそれは怖い…。
あとは訪れた時の時間帯もあるだろうか。早朝６時あたりに現地入りしたのだが、訪れた当時は坪野鉱泉の周辺で、何かしらの工事が行われていた様に見受けられた。それが何の工事だかは分からなかったのだが、横には建設重機「ユンボ」の姿があるし、奥の方には現場事務所だが詰所だかが確認できる。しかも時間帯もあってか、何やら朝の活動が徐々に始まった感があり、遠くから「がちゃがちゃ」と聞こえてきた。
「工事現場の方々に取り囲まれるのも怖いな…」
なんて事を想像し、やはり従来の予定通りに潜入せずに外観のみの撮影に留めたのであった。大変恐縮だが、内部の写真は検索サイトなりで検索して頂き、そちらを参考にして頂きたく思う。
巡霊者：心霊スポット取材記：富山県【坪野鉱泉】現地写真
■あくまでも遠目から撮影するに留めよう。
■雰囲気は物凄いかなぁ…といった具合で周囲を気にしながら、外観から眺めるばかり。
■道を挟んだ横の土地には、建設重機“ユンボ”がスタンバっている。
そのうち人が乗り込んで動きそうで気になってしょうがない。
■旅館と道を挟んだ向かい側にある、雑草に覆われた建築物。
併設されていたプール関連の建物だろうか。
■雑草が生い茂り覆い隠されるのを待つばかりの建物。
こちらも雰囲気は様々な意味で良い。
■それにしても、坪野鉱泉における現実的な恐怖があるのは分かった。しかしながら、心霊スポットとして噂となるような霊的な情報はないのかと思うのだが、やはり（と言うのも何だが）存在している。
オーナーが建物内で自殺してしまった
といった内容なのだが、実はガセであるという、まぁ典型的な物といえば確かに…といった内容である。
しかしながら、建物における人が亡くなるといった事件や事故はないのだが、隣にかつて併営されていたプールにおいて、死亡事故が起きていたというのは、どうやら事実であるらしい。
ならば旅館本体よりも、そちらの方に幽霊が出るのでは？
といった疑問を抱かずにはいられないのだが、不気味にそびえ建つ廃墟の方が、雑草がに覆われて何が何だか分からなくなってしまった廃プールに比べれば、遥かに魅力的なのは容易に理解できる事だし、現状の結果が全てを物語ってもいる。
それ以外の噂も様々なのだが、何と言うか都市伝説的な要素の強い物が殆どだ。「現在の所有者がＢ力団で〜」といった内容等となってくるのだが、所有者が怖い人であろうとなかろうと、不法侵入は宜しくない行為である事は、ここにキチンと記載しておく。さらに、当サイトではその行為を推奨してはいない事も明記しておく。そして、それでもなお現地入りし潜入した際におけるトラブルの一切を、当サイトでは追わない事とする。
実は個人的な恐怖として、実はこの辺が廃墟物件の一番怖い部分であったりする。あくまでも自己帰任において行動して頂きたい。私個人の切なる願いなのである…。
また、そういった物件は公開しないという手段もあるのだが、富山県で実際に起きた、若き女性２人の失踪事件の風化を遅らせられるという効果の意味で、当サイトからも微力ながら、その効果に期待を込めて公開する事とした。事件が解明するのを、路地裏の陰からひっそりと願う事としよう…。