心霊スポット:天城隧道 【八丁池:2】
■所在地:静岡県伊豆市 ■取材日:2004年4月13日 ■公開日:2010年11月某日


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■当然とは言え、私にとっては決して歩き易くない山道に、徐々に体力を奪われながらの取材だが、目的地までの道程の、約半分を歩き切った事に、精神的に余裕が生まれた。

 しかしながら、心の余裕が出来たとて、やはり肉体は嘘を隠す事の出来ない30半ばの立派な中年だ。
 そんな精神的な回復は、それこそ瞬間的に消えてしまったのは想像するまでもない。

■そうこうしている頃だっただろうか。「恐怖体験談」に書いたエピソードの“声”らしきものが聞こえてきたのは。
 女性と思わしき話し声が、内容までは確認できなかったのだが楽しげに聞こえ、こんな山の中で決して孤独ではないという安堵を覚る。また、先の目標も見つけ「追い抜いてやろう」と意気込み、歩むスピードを上げたりもした。
 しかし、結果としては如何に早く歩こうと、最終的には「恐怖体験談」にも書いたとおり追いつけなかった。追いつけないどころか、その後に目的地である八丁池に辿り着いても、その女性の存在すら確認出来なかったのである。実に不思議であり奇妙な体験であった。といって、どん底の恐怖を味わったとまではいかないエピソードなのだが…。

 そんな体験談については、「恐怖体験談」で多く語っているので、この辺までにしておこう。(管理者の体験談第31話“話し声”参照

心霊スポット:八丁池

■相変わらず歩き辛い山道が続く。
この辺で、例の声が聞えた様に記憶している。
とりあえず、その声を目標にペースを上げてみることにした。


■先に進むにつれ、杉のような針葉樹が目立ち始めた。

「その高さにより植物も変わってくるのかな?」

てな具合で関心してしまう。もっとも、その筋の専門家ではないので、実際のところは植物と標高の関係は分からないのだが、どちらにしても杉がやけに目についた。花粉症の私には、この上ないストレスであった。

 杉の生い茂る合間の山道には、木製の階段が設けられていた。こういった歩きにくい山道では実に有難い設備といえる。
 登りやすい階段を足早に登り切り、その先に見たものは、未舗装ではあったが開けた道路であった。

「なんだよ車で来ようと思えば来れたのか!」

落胆しつつ、おもわずそんな言葉が出てしまった。(前回その1末の写真を参照)
 といって、その時点でその道が八丁池まで繋がっているのかは分からないし、またどこからどう繋がっている道なのかも分からない。下手に車で進み、訳の分からない場所に行ってしまうくらいならば、徒歩でゆっくり撮影を兼ねて進んだ方が、サイト運営という観点からすれば良いと思う。
 ここは深く考えずに、先へと進むべきだと考え心を落ち着かせた。

 その未舗装の道路の付近の道標には、「八丁池2.2k」と記されていた。
 約2キロといえば、日常の生活においては、どうってことのない距離である。実際に、当時の私の心境も

「余裕と言えば余裕じゃん」

といった軽いものであった。
 余裕綽々で、その道標が指す方へ進んだのだったが…。

巡霊者:心霊スポット取材記:静岡県【八丁池:2】現地写真

心霊スポット:八丁池

■例の道標から先の道中の写真。
武骨に露出した木の根は、時に足が引っ掛かり歩き辛い。
こんな木の根が目立ち始めてきた。

心霊スポット:八丁池

■そして、やはり所々に見られる石だまり。
巨石とまでは言わないが、なかなか大き目の石の群れに、歩き辛さを覚えてしまう。

心霊スポット:八丁池

■古より立ち続けているであろう巨木の姿も見られた。
写真では分かりづらいだろうが、相当の太さであった。
巨木は妙に人の心を惹き付ける力がある様な気がしてならない。

心霊スポット:八丁池

■随所に設けられた道標。
目的地まで、あと800mらしい。
ヘロヘロになりながらも、徐々に目的地が近づいている事実に嬉しさが込み上げてくる…というのは少々大げさな表現か?

心霊スポット:八丁池

■道中には、この様な喫煙所が設けられていた。
愛煙家の私にとっては、この上ない設備だ。
にしても、近年の“禁煙ブーム”ほど居心地の悪いものはない…と、小言を書いておこう。

心霊スポット:八丁池

■愛煙家の至福の一時…といったところだろうか。
タイマー機能で撮影。シャレで撮った一枚だ。
カメラをどこに置いて撮影したのかは覚えていないが、恐らく都合のよい高さの台なり何なりがあったのだろう。

この、登山からは懸け離れた姿には、我の事ながら失笑するばかりだ。

心霊スポット:八丁池

■生い茂る木々が創り出した、緑のトンネルだ。
高さも低く、これまた歩き辛そうなのだが、背の低い私にとっては然程問題はない。

…あまり自慢できることではないのだが。


■シャレで上の様な写真を撮ったりで、ずいぶんと余裕に思われるかもしれないが、実は相当にヘバっていて休憩せざるを得なかったのが実情だ。
 体験談にある通り、例の声の主に追いつくべくペースを上げて“ガツガツ”と登り、それでもなお追いつかずに諦めてしまった姿が、実は上の写真の本当のところなのである。

 そんな訳で、すっかり疲れきっての道中は、次回より紹介していこう。

その3へ続く…

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