心霊スポット:天城隧道 【天城隧道:2】
■所在地:静岡県伊豆市〜賀茂郡河津町 ■取材日:2004年4月13日 ■公開日:2009年4月某日


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■トンネルの入り口には、トンネルの案内板や峠茶屋などがある。まさに観光地としての雰囲気であり、そのため平日であるにも関わらず人の姿も見受けられた。
 また、峠茶屋の店主は絶えず笑顔で、行き交う観光客に話し掛けている。人の良さそうな、実に良い店主だ。しかし、実は私は他人との会話があまり好きではない。ましてや初対面の人間との会話なんて以ての外だ。なので内心では(俺には話し掛けないでくれ〜)と思っていたのだが、その願いも空しく店主は私に、最高の笑顔で語り掛けてきた。

「今日は観光ですか?」

前身が黒尽くめで、ましてや黒の革靴の出で立ちの私を見て、果たして観光客に見えるのだろうか?いやいや、そうは見えないからこそ、あえてそのような問い掛けをしてきたのだろう。

「まぁそんな感じです」

どの様にも解釈できる適当な返答をして、その場をいなそうとしたのだが、その店主はなかなか私を離そうとはしてくれない。
 向こうの巧みな話術に対し、ぎこちない返答をすること数分の後、ようやく店主から解放された。会話下手なことに罪の意識を覚えつつ、それでも色々と教えてくれた店主には感謝するばかりだ。

■店主との会話も終え、ようやく天城隧道の前に立った。有名な場所であるが故、事前にトンネルの姿や情報は、様々な媒体により目にしまた知識として得ていた。そんな場所に実際に訪れた際の心境は、これまた何とも趣深いものがあるものだ。立派な石造りの天城隧道を撮影しながら、その合間に手を休め

「何だかすげぇなぁ…」

なんて独り言をつぶやいていたような気がする。
 そう、何だか分からないのだが“すげぇ”雰囲気を醸し出しているのが、天城隧道なのではないかと思うのだ。例えば有名なところで「吹上トンネル」などは、あの古びた風貌からくる強烈な雰囲気に“すげぇ”と感じるのだろう。“すげぇ”と思わせるその理由が実に分かり易い。
 しかし、天城隧道は作り的に立派で、また照明施設も設置されている。しかも先に書いたとおり、観光地として訪れる人も多く、恐怖感を覚えるには条件は良くはない。しかし、それでもなお、その姿を目の前にすると、ついつい“すげぇ”と思ってしまうのである。

 もっとも、これはあくまでも私の個人的な感想であるのは言うまでもない。見る人間により、様々な意見があっても何ら不思議ではないのだ。この、私が何だか分からないのだが“すげぇ”と感じた天城隧道も、実につまらなく見えてしまう人もいるのだと思うし、またより“すげぇ”と感じる人間もいるのだろう。十人十色というように、感じ方も様々ということだ。

心霊スポット:天城隧道

■トンネル入り口付近の案内図と石碑。これらの情報は実に貴重だ。一読の末、ちゃっかり写真にも収めてからトンネルに潜入した。


■いよいよトンネル内に潜入し、天城隧道の内部の雰囲気を、よたよたと歩きながら味わっっていった。もちろん、撮影も怠りはしない。内部の雰囲気といえば、深部に行けば行くほど恐怖感は増し…といったことはなく、等間隔に設置された照明設備が独特の雰囲気を醸し出している。何とも古めかしさを感じる良い雰囲気だ。そんな心地よさをも感じる内部なのだが、他方で例の“すげぇ”と思わせる空気も漂っている。相変わらず、その要因が何なのだかは分からないのだが。

 そういえば、私が所有するビデオの中に、天城隧道の内部に向かい歩きながら、深部で奇妙な“モノ”が見えてしまったのか悲鳴を上げながら逃げ出してしまう某有名人の映像がある。もしかすると、私には何だかわからないのだが“すげぇ”と思えるものは、実は某有名人には具体的な姿として見えていたのかもしれない。
 なんとなくそう思えるのだが、これは考え過ぎなのだろう。

巡霊者:心霊スポット取材記:静岡県【天城隧道:2】現地写真

心霊スポット:天城隧道

■「さていよいよ潜入」といった写真だろうか。間違っても「意を決して!」といった具合で気合いを入れる雰囲気ではない。不安要素があるのなら、それは車が入ってきた場合のすれ違いではないだろうか。

因みに、トンネル奥に見えるのは内部の照明設備だ。その奥には反対側の坑口も確認できる。

心霊スポット:天城隧道

■その照明設備の写真だ。思いっきりブレた写真しかないのが残念だが、実にレトロチックで味のある照明であった。

心霊スポット:天城隧道

■内部中央付近の写真だろうか。照明のおかげで、足元も安心だ。それと反比例して、恐怖度は下がる一方であるのは言うまでもない。

何だか分からないのだが“すげぇ”と感じた雰囲気は、果たしてこの写真で伝わるのだろうか…。

心霊スポット:天城隧道

■反対側の坑口まで進む。石積みの模様に独特さを感じる。

因みに、奥に延びる道路は未舗装だ。

心霊スポット:天城隧道

■反対側はこのような感じだ。向こう側に比べ、やや寂しい感じがしたのだが、それは峠茶屋の存在が大きいのかもしれない。因みに人の姿は全くなかった。


■結局、その“すげぇ”と思わせる何かは分からないまま、現地の取材を終えてしまった。
 最終的な感想としては、単なる観光地としての印象が強いと言わざるを得ない。しかし、それでも独特の雰囲気は感じたし、それは訪れた人によって大きく変わるものだと思っている。

 また、深夜の時間帯に訪れた場合には、また感じ方は大きく変わるのは間違いないだろう。次回に訪れる機会があるのならば、そんなタイミングに取材してみたいと強く思うのであった。そんな機会に恵まれた際には、また改めて取材記として紹介してみたいと思う。

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